物流の中でも食品の運搬は意外と難しいものです。温度変化に弱い食材が多く、そのままトラックで運搬してしまうと短時間で劣化が進み商品としての価値がなくなってしまうからです。そうした事態を避けるためにも活用したいのが冷凍輸送と呼ばれるものです。冷凍輸送とは食材などの商品をトラックの荷台の中で冷凍した状態で運ぶことを言います。冷たい状態で運搬されるため食品の品質が劣化しにくく、長時間かけて遠く離れた地域まで運搬したい時に最適です。特に魚や肉などは温度が上がるとすぐに傷んでしまうため、この輸送を使うのがおすすめです。またアイスクリームや冷凍食品のように初めから冷凍保存が必要とされている商品の運搬にも向いています。
一般的な輸送方法との大きな違いは、冷凍輸送ならば食品の賞味期限を大きく伸ばすことができる点にあります。通常の温度で運搬するのと異なり、冷凍輸送では荷台の中の温度は0度以下に設定されています。そのため食品の傷みが進みにくくなり、結果として美味しく食べることができる期間を延長することができるのがメリットです。例えば太平洋側でとれた魚を日本海側へと運搬する場合、これまでは傷まないように塩蔵処理などが必要でしたが、冷凍処理ならばそのままの美味しい状態を遠隔地へと届けることができます。
他にも冷凍輸送にはメリットがあります。お弁当やミールキットのように、電子レンジで温めるだけで食べられるメニューを製造、運搬できることです。飲食店が提供するような本格的なメニューは、その場で食べないと味が落ちてしまうという欠点がありました。ところが冷凍輸送を使えば、出来上がったメニューを丸ごと凍らせることで遠くの地域へと届けることができます。飲食店を直接訪れて食べるのが難しい消費者にもお店の味を届けることができるのは大きな利点と言えるでしょう。